逃げればいいのに闘ってしまいました

もう四半世紀前、バブル期新卒採用3年目の会社員が、自分がいたベンチャー企業を相手に闘ってしまった話です。私の経験が、いままさに働き方に悩んでいる若者へのエールとなれば幸いです。

労組ができると、会社がつぶれるってよ!

社長の意図にしたがって、組合攻撃をつづける非組合員。

会社側も、なりふり構わない攻撃を仕掛けてきます。

 

普通の経営者は経営不安なんて口が裂けても従業員には言いません。

まして、成長イメージを売りにしているベンチャー企業です。

経営危機を噂にして車内に流すなんてことはアホとしか言いようがありません。

従業員から取引先に漏れるに決まっています。

 

器の小さな経営者です。

組合を潰すためならと、ありもしない噂を流すのです。

組合ができたことで会社が潰れるなら、とっくに潰れています。

そんなに労組が怖かったのでしょうか。

 

ハッキリ言っておきます。

私は会社と争うために組合を作ったのではありません。

会社と円満に話し合う手段として組合を選んだのです。

それしか話し合いの場をつくれなかったのです。

 

それなのに、会社は敵対関係をつくったと考えて、

こちらの考えも聞かず否定的な立場を取ったのです。

 

『とんぼのめがね』に投稿した手記からです。

 

それは組合員に不安を与えるには十分であった。

不安を持った組合員たちに追い打ちをかけるように、

非組合員は組合員に対して無視や暴言をはくといった嫌がらせを行うようになった。

さらに、会社役員を中心に

「組合ができたために、借り入れができない」

「合化労連に加盟しているため、銀行から信用されなくなった」

「運転資金が1億円足りない、このままでは倒産してしまう」

といった反組合的な煽動が展開され、

組合員の不安は不信へと変わっていった。

その不信感に乗じて、課長クラスの直接的な組合脱退工作が進められ、

結成後わずか2カ月の間に、

21名いた組合員は委員長と書記長の2名になってしまった。

 

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「組合つぶしをはねかえし賃上げ一時金差別と闘う」『とんぼのめがね』1994年夏

 

 

先輩が無視したから、乱暴な言葉を使ってきたから、

そんなことで、心折れる組合員たち。

「もうやっていけない」といって、辞めていきます。

 

そして、委員長、書記長が不在の時を見計らって、

信用していた設立メンバーが裏切ったのです。

 

 

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